MBO(マネジメント・バイアウト)とは?目的やメリット、リスクを紹介

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MBO(マネジメント・バイアウト)とは?目的やメリット、リスクを紹介

MBOはM&Aの1つで、企業の経営陣が経営権を取得できる手法です。成長戦略や事業継承のために行われることも多く、メリットに着目しがちなMBOですが、当然リスクもはらんでいます。

現株主構成を変えたいから、事業を継承して後継者問題を解決したいからと安易にMBOを実施すると、今後の経営に支障をきたしかねません。

今回の記事では、MBOの目的やメリット、リスクといったMBOの概要をお伝えします。また実際のMBO実例もあわせてご紹介するので、MBOの検討に役立ててください。

MBO(マネジメント・バイアウト)とは?

MBO(Management Buyout)とは、企業の経営陣が株主から自社株や事業部門を買って経営権を取得してオーナー経営者になることを意味し、日本語では経営陣買収と訳されます。また、従業員も買収に参加する場合はMEBO(Management and Employee Buyout)といった呼び方となります。

MBOの主な目的は次の3つです。

1.経営陣の裁量を大きくし、自由度と機動性の高い経営をするため
2.経営陣に事業を引き継がせて後継者にするため(特に非上場企業)
3.上場企業の非公開化

通常、株式会社は株主や投資家の要求を考慮して、経営方針を決定します。しかしMBOを実施すれば、株主は経営陣と一部の投資ファンドなどが占めるため、経営の自由度が高まり速やかな意思決定が可能です。

TOB(株式公開買付け)との違い

TOB(株式公開買付け)とは、上場企業を含む公開企業の株式を一定量以上買い付ける際に法令上求められる手続きです。つまり、MBOと名称は似ていますが、TOBは公開企業がMBOを実行する際のプロセスを指します。他方、非公開企業ではTOB手続きは不要であり、通常の株式取得により経営陣が株式を買い取ることとなります。

MBOのメリット

MBOのメリットは、大きく次の4つが挙げられます。

1.迅速な意思決定が可能
2.MBOの影響が従業員におよびにくい
3.後継者問題を解決できる
4.情報流出の心配が少ない

それぞれの詳細を下記にて紹介します。

意思決定がスムーズになる

MBOの1つ目のメリットは、迅速な意思決定が可能になる点です。経営陣が自社株を保有することで、株主総会ではなく経営陣の決議でさまざまな意思決定ができるようになります。

株主総会を開催するためには、①取締役会で開催を決定する、②開催の通知を送る、③開催、という手順を踏むため、何かを決定するまでに多くの時間を要します。

しかし、MBOを実施すれば経営陣が意思決定の裁量を握るため、決定までの時間が短縮でき、迅速に物事を決められるのです。

従業員への影響がほとんどない

従業員の雇用や待遇などにほとんど影響がないのも、MBOのメリットの1つです。MBOの実施では株の保有者が変わるだけで、会社組織自体に変化が生じるわけではありません。

これまでの経営陣が会社を引き継ぐことで、取引先も経営に関する不安を抱きにくい点もMBOの特徴です。

すなわち、従業員や取引先との影響が出にくい点が、MBOの2つ目のメリットといえます。

後継者問題を解決できる

非公開企業においてMBOの実施により後継者問題が解決できる点が、3つ目のメリットです。

MBOは事業承継の手段としても利用できます。例えば子どもや親族に後継者がいなくても、自社の信頼できる経営陣に経営権をゆだねることで、後継者として事業を引き継ぐことが可能です。もしM&Aで第三者に売却する場合、条件や利益などの面で折り合いをつけるための交渉が難航することもあり得ます。

一方、MBOを活用すれば自社の経営陣(従業員)が相手なので、スムーズに事業継承を進められる点は、MBOの大きなメリットです。

情報流出のリスクが少ない

MBOのメリット4つ目は、情報流出のリスクが少ないことです。MBOは自社内での譲渡のため、企業の機密情報が外部に漏れる心配がありません。

一方で、一般的な企業買収やM&Aでは成立前に企業の情報を開示しなければならず、秘密保持契約を結んでいても外部に出した情報の流出リスクをゼロにするのは不可能です。

情報流出のリスクの少なさが、内部で株式や事業を譲渡するMBOのメリットと言えるでしょう。

MBOのリスク

MBOを実施すれば自社の経営陣が株主となるため、自由に動きやすくなったり事業継承の問題が解決できたりと、いくつかのメリットがあります。

その反面、次に挙げる4つのリスクも伴うので注意が必要です。

既存株主から反対される可能性がある

MBOの1つ目のリスクは既存株主からの反対です。MBOで既存株主から株式を買い取る際に、安く買いたい経営陣と高く売りたい株主で利益相反が生じます。

MBOでは発行済みの株式をすべて取得するケースが多く、既存株主の反対があるとMBOは行えません。この問題を解決するには、①全部取得条項付種類株式型の利用、②株式交換型を利用するといった2種類の対策があります。

MBOでは既存株主と対立する恐れがあるので、慎重に検討した上で行いましょう。

経営の監視機能が弱まる

2つ目のリスクは監視機能の弱体化です。自社株を取得すると所有と経営が一体となり、経営を監視する人たちがいなくなります。

重要な会社の方針を経営陣だけが決めることになりますが、出資者と経営者が同一のため、偏りや不透明さが出る可能性は否めません。

このような監視機能の弱まりが、MBOの大きなリスクです。

買収後に債務が残る

買収のための資金が債務として残ってしまう点も、MBOのリスクの1つです。

MBOを行う際は、ほとんどが投資ファンドや金融機関から資金調達をすることとなります。しかし、会社の実態そのものは変わらないため、MBOを行った後、体制はそのままなのに借入金だけが増えたという状態となります。

MBOのリスクを減らすためにはなるべく債務が高額とならないよう、将来性や財務状況をふまえて売買額の交渉を行うことがポイントです。

今後の資金調達の選択肢が減る

4つ目のリスクは、資金調達の選択肢が減ってしまうことです。

MBOは自社株をすべて取得して上場廃止をするので、株式を発行して資金調達することができなくなります。

MBOを行うと、今後の主な資金調達の手段が借り入れになってしまうので、負債コストや企業価値などを把握して事前に検討を重ねることが大切です。

MBOの実施方法

MBOを実施方法は、次の流れで行います。

1.企業価値を評価
2.新会社設立や吸収・合併
3.MBO用に資金調達

以下で詳細を解説します。

企業価値を評価

MBOを実施するために、まずは企業価値を算出しましょう。企業価値とは、経営用語で企業全体の価値のことです。この企業価値は、MBOに向けて買取価格を計算するのに使います。

企業価値は、経営陣の意見などは排除し客観的な価値でなければなりません。

企業価値を計算する方法には、①コストアプローチ、②インカムアプローチ、③マーケットアプローチの3種類があります。

新会社設立、吸収・合併

MBOを行うためには、買い取りの受け皿となる新会社が必要です。新会社の創業は経営陣が行い、買い取った株式を移していきます。買収が完了したら新会社とMBOの対象である自社を吸収・合併して、MBOは終了です。

MBO用資金の調達

MBOは自社株を全取得するためには、MBO用の資金調達が必須です。小規模の企業でない限り、自己資金だけを頼りにMBOを実施するのは難しく、多くの場合は借り入れすることとなります。

主な資金調達の方法として、次の3つが挙げられます。

1.銀行の買収用ローン(LBOローン)・投資ファンドを活用する
2.ビジネスローンを組む
3.日本政策金融公庫から融資を受ける

また、助成金や補助金、個人投資家からの支援、ファクタリングなども資金調達の有効な手段です。

MBOの実施事例

これまでMBOの概要や実施の流れを解説しました。本章では、具体的なMBOの実施事例を3つご紹介します。

富士山マガジンサービス子会社(103R)

富士山マガジンサービスは、子会社である103Rの社長に対し、2020年6月12日に1株1円で株式譲渡してMBOを行いました。

MBOに至った経緯は新型コロナウィルスの影響により103RのPR関連事業の需要が減ったためです。

親会社である富士山マガジンサービスにとって、子会社の体力が低下すればシナジーが得られず、グループ会社でいるメリットは減ってしまいます(ノンコア化)。

今回富士山マガジンサービスが行ったMBOは、カーブアウト型のMBOと呼びます。カーブアウト型のMBOは親会社が子会社を切り離すために行うMBOのことです。

マイスターエンジニアリング

2020年3月、マイスターエンジニアリングの平野大介社長(形式的な買い手は買収用SPCのMEホールディングス)が一般の株主から株式を買い取り、上場廃止しました。

MBOの目的は、迅速かつ柔軟な経営判断や機動的な投資を実現できる経営体制を構築するためです。

今回マイスターエンジニアリングが行ったのはローン型MBOと言い、株式を買収する資金をローンによって調達したため、このように呼ばれています。

400F(フォーハンドレッドエフ)

2020年7月16日、400Fの中村代表が、親会社の金のデザインから400Fの株式すべて買い取る形(株式譲渡)で独立しました。

MBOの目的は柔軟で迅速な意思決定を行うためです。この実例も富士山マガジンサービスの子会社の例と同じく、カーブアウト型のMBOにあたります。

ノンコア化した子会社を切り離せば親会社はコスト削減が可能となり、子会社も制約なく独立した組織として自由な経営ができます。親会社と子会社の経営陣のニーズが合致したとき、カーブアウト型のMBOが実施されます。

MBOは経営体制の改革ができる企業戦略の1つ

MBOは株主総会がなくなるのでスムーズな意思決定ができ、大きく経営体制を改革できる企業戦略の1つです。MBOを実施することで、迅速な意思決定が可能になったり、後継者問題を解決できたりとさまざまなメリットがあります。

しかしスリム化できるからこそ、監視機能が弱まってしまい、債務や資金調達の課題も浮上し得ます。また、実施前に既存株主から反対される恐れもあるため、どのような目的でMBOを実施するのか、実施することで企業戦略としてどのようなメリットがあるのかをしっかり見極めておく必要があるでしょう。

GCAサクセションでは事業承継に悩む経営者の皆様を幅広くサポートしております。弊社では、MBOを含む多くの経験をもったアドバイザーが多数在籍しており、事業承継を検討しているオーナーの皆様のサポートを数多く行って参りました。成功報酬型を採用しているため、相談料や着手金はかかりません。事業承継を検討しているがMBOにすべきか、他社への譲渡にすべきかなどの初期的なご相談も受け付けておりますので、お気軽にぜひ一度ご相談ください。

記事監修

HLサクセション株式会社は、オーナー様企業における事業承継案件に特化した代理人型M&Aアドバイザリー会社です。「お客様の最善の利益のために」、オーナー様専属のアドバイザーとして、クライアントのご意向に沿ったM&Aの実現を徹底的に追求いたします。

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